契約社員の手当格差は「不合理」/松山地裁判決/えひめユニオン

農機メーカー大手「井関農機」(松山市)の子会社2社に勤める契約社員計5人
が、同じ仕事内容の正社員と待遇に格差があるのは労働契約法違反だとして、2社に
手当などの差額分計約1450万円の支払いを求めた訴訟の判決が24日、松山地裁
であった。久保井恵子裁判長は、手当の不支給を「不合理」と認め、計約232万円
の支払いを命じた。

 一方、賞与については、正社員への支給が「人材の獲得と定着を図ることに合理性
がある」と述べ、原告側の請求を退けた。

 原告は、愛媛県内に住む35~52歳の男性。2007~08年、松山市の井関松
山ファクトリーと井関松山製造所に契約社員として入社後、有期契約を更新し、工場
でトラクターの製造などに従事してきた。

 久保井裁判長は判決で、同じ製造ラインで働く正社員と比べ「業務内容に大きな相
違があるとはいえない」と指摘。生活費を補助する手当や家族手当や住宅手当などに
ついて、「正社員であれば職務内容にかかわらず支給されており、契約社員に支給し
ないのは不合理だ」などとした。

2018年04月25日 Copyright (c) The Yomiuri Shimbun

パート5名の雇い止めを撤回させる/札幌地域労組恵友会支部

〈札幌地域労組副委員長 鈴木一〉

4月4日、社会福祉法人札幌恵友会において団体交渉が開催された。交渉の課題は、老健施設アカシアハイツ(100床)のパート介護職5名に対する雇い止めの撤回と、介護課長によるパワハラ問題。

とても重たい課題だったため、決裂した場合に備え争議行為に入ることを予告、介護職の過半数を越える仲間が団体交渉に駆けつけ、その勢いでグイグイと法人側を押し続けた。

その結果ついに突破口が開け、5名の雇い止めは撤回され、パワハラについては理事の一人から誠実な謝罪があった。おそらく、パワハラ上司は、もうこの職場には出て来られないだろう。

札幌恵友会(15の介護施設を運営)で組合が結成されて約2年半が経過したが、実は、このアカシアハイツにはその数年前からUAゼンセンが組織する札幌恵友会労組が存在し、札幌地域労組はなかなか入り込めなかった。しかし今回のパワハラ事件を契機に、一気に地域労組の組合員が増えた。

地域労組が結成された際、UAゼンセンの地元オルグは好機到来とばかりに、理事長に対し法人を批判する地域労組のビラを示し「この組合は理事長の退陣を迫るような過激な組合。私たちが理事長をお守りします」と労使協調をアピール、理事長と意気投合した。それから間もなく、行政から4度目となる改善命令が出され、激しい団体交渉の末、地域労組は理事長を追放した。

その後、UAゼンセンの組合は細々と維持されていたが、先日、書記長による不祥事が発覚、ついに組合は消滅した。

文際学園は不当労働行為を直ちにやめろ/大阪高裁への控訴に断固抗議 する/なにわユニオン

〈なにわユニオン〉 
 2018年2月28日大阪地裁は、大阪外語専門学校を運営する文際学園伊勢洋治理事長
に対して、なにわユニオン大阪外語分会に対して行ってきた、不当労働行為を認める
判決を行いました。
 
 この判決は、大阪府労働委員会が2016年10月11日に財務諸表開示についての不当労
働行為救済命令、2017年3月13日に再雇用の労働条件は義務的団交事項であるとする
不当労働行為救済命令を出したことに対して、文際学園が取り消しを求める行政訴訟
を行っていたことに対する判決でした。
 
 なにわユニオン大阪外語分会は、2006年以来文際学園が行ってきた就業規則の改
悪、昇給なし、一時金の大幅カット(約0.1ヶ月支給)、退職再雇用時の労働条件に
ついて団交を行わないなどの数多くの不当労働行為に対してストライキで闘うととも
に、大阪府労働委員会委員会の救済命令を勝ち取ったのでした。文際学園伊勢洋治理
事長の本拠地である日本外国語専門学校(東京都新宿区下落合)門前でコミュニティ
ユニオン全国ネットワーク首都圏行動に参加したユニオンとともに抗議行動なども
行ってきました。
 ところが、文際学園は命令を無視し、取り消しを求める行政訴訟の暴挙に出たので
した。
 
 大阪地裁は財務諸表開示については、命令取り消しを大筋で認めず、なにわユニオ
ンを財務諸表開示にあたっての関係団体と認めました。再雇用については命令取り消
しを全面的に認めない判決を下したのです。
 
 この判決に対して、文際学園は、不当にも大阪高裁に控訴しました。ユニオンとの
自主的な解決を行わない不当な控訴であり、大阪府も一部認められなかった命令につ
いて控訴しました。なにわユニオンは文際学園の控訴を断固糾弾します。
 文際学園は直ちに大阪府労働委員会が下した命令に直ちに従い、なにわユニオンに
謝罪しなければなりません。
 今後もなにわユニオンは不当労働行為を許さず闘います。