メトロコマース/非正規差別なくせ裁判控訴審闘争報告/全国一般東京東部労組

9/26 東京東部労組メトロコマース支部 非正規差別なくせ裁判控訴審闘争報告
東京高裁は非正規差別を許さない正義の判決を出せ!

東京メトロ駅売店の非正規労働者でつくる全国一般東京東部労組メトロコマース支部が、正社員との賃金差別をなくすために起こした裁判で、控訴審の証人(原告本人)尋問が9月26日に東京高裁であり、東部労組組合員と支援の仲間73人が前段の裁判所前でのアピール行動、支援傍聴、裁判終了後の報告集会に参加し、非正規差別を許さない決意を訴えました。

午前9時15分から東京高裁正門前に集まった仲間はアピール行動を開始。原告4人のうち3人のメトロコマース支部組合員(加納組合員は体調不良のため欠席)が「私たちは差別で奪われた尊厳と人権を取り戻したい」などとアピールしました。

支援に多く駆けつけてくれた労組のうち同じく労働争議を現在闘っている仲間として、郵政ユニオンの労働契約法20条裁判原告、全労ユナイテッド不当解雇撤回闘争団、JAL不当解雇撤回争議団、ジャパンビバレッジの長時間労働と組合つぶしと闘っている総合サポートユニオンから連帯発言を受けました。

同10時30分から開廷した裁判では42席ある傍聴席は早々に埋まりました。原告組合員を代表して後呂支部委員長が本人尋問に立ち、「2年ごとの家賃の更新料を払うのが一番大変です。正社員と同じ住宅手当がほしい」「テレビはありません。地デジ化したときに止めました」などと、非正規差別ゆえの低賃金による苦しい生活を証言しました。

また、会社との団体交渉で会社側の向井総務部長(当時)から「今どき路頭に迷う人なんているのか?」と言われた時の怒りと悔しさを訴えました。フルタイムで働いても月の手取りが13万円にしかならない原告を含めた非正規労働者の生活実態がどのようなものかを、経営者は一ミリたりとも想像しようとしないのです。まさに自分の利益さえ確保できれば、非正規労働者のことなど知ったことではない、というのが経営者の本性です。

いま問われているのは、東京高裁の裁判官が、このような冷酷非道な経営者と身も心も同じ立場に立って非正規差別を容認するのか、それとも人間として差別を許さないという立場で断固として正義の判決を書くのかです。

裁判終了後に東京高裁正門前で行った報告集会では、組合側弁護団と原告組合員からそれぞれ今後の裁判闘争に向けた展望と決意を述べました。最後に参加者全員で「東京高裁は非正規差別をなくせ!」「東京高裁は公正判決を書け!」「非正規差別を許さないぞ!」「非正規労働者の生活を守れ!」「非正規労働者の尊厳を守れ!」などとシュプレヒコールをあげました。

裁判はいよいよ次回11月19日(月)午後1時30分から東京高裁812号法廷で結審する予定です。みなさんの引き続きのご支援をよろしくお願いします!
〈全国一般東京東部労組書記長 須田〉

女性3人が労働組合を結成!雇い止めを撤回!/東京東部労組

女性3人が労働組合を結成!雇い止めを撤回!
東京東部労組個人タクシー協同組合葛飾第二職員支部結成

東京・葛飾の個人タクシー運転手でつくる東京都個人タクシー協同組合葛飾第二支部
(池上精一支部長)で雇用されている女性の事務職員3人が、雇い止めの撤回などを
求めて労働組合を結成し、7月11日に組合結成を使用者に申し入れ、その場での団体
交渉で雇い止めの撤回を勝ち取りました。

3人が作ったのは「全国一般東京東部労組個人タクシー協同組合葛飾第二職員支部」
(佐藤さなえ執行委員長)。最大の要求は組合員の雇い止め撤回でした。3人のうち
定年後の再雇用として働いていた白浜組合員は7月4日に使用者である池上支部長に
呼び出され、8月15日をもって雇い止めにすると通告されていました。

その他にも、職員へのパワハラをやめてほしい、有給休暇を法定通りに付与してほし
い、不払い賃金を支払ってほしい、労働条件の不利益変更を撤回してほしい、といっ
た多くの要求を抱えていました。そこで職員3人が東部労組に加入し、組合結成につ
ながりました。

組合結成申し入れでは、組合員3人が東部労組本部スタッフと葛飾地域の労働組合の
共闘組織「葛飾区労協」の三浦議長(東京清掃労組)が同席する中、事務所で使用者
側の池上支部長や他の常務理事らに対し、労働組合結成通知を読み上げ、12項目にわ
たる要求書を読み上げて全員で拍手しました。

そのまま最初の団体交渉という形になり、白浜組合員の雇い止め撤回を中心に労使協
議しました。使用者側は当初、経営状況の悪化を理由に雇い止め撤回をなかなか認め
ようとしませんでした。

しかし、組合員3人は、「高年齢者雇用安定法で少なくとも65歳までは安定した雇用
を保障しなければならないはずだ」、「経営悪化と言いながら新たに職員を採用して
いるではないか」、「20年近くも協同組合のために頑張って働いてきた白浜組合員の
生活や尊厳をどのように考えるのか」と真剣に訴えました。また、法律を守らず、職
員の声に耳を傾けない場合にはストライキなどの争議行為を行うことも辞さないと迫
りました。

その結果、使用者側からの8月15日での雇い止め通告を白紙に戻すことを約束する確
認書を労使で署名して締結することができました。これまで職場で不満や疑問があっ
ても我慢するしかなかった労働者が労働組合を作ったことで手にした初めての「勝
利」です。

女性3人の労組は出発したばかりです。今後、多くの困難が予想されますが、団結の
力で打ち勝っていく決意です。みなさんのよってたかっての支援を心よりお願いしま
す。
〈全国一般東京東部労組書記長 須田〉

30周年記念シンポジウム&レセプション/きょうとユニオン

きょうとユニオン30周年記念シンポジウム&レセプション
多数のご参加と心強い多くのメッセージに心より御礼申し上げます

6月10日、きょうとユニオン設立30周年を記念するシンポジウムをキャンパスプラザ京都にて開催しました。

シンポジウムでは玉井委員長の挨拶の後、跡見学園女子大学の禿(かむろ)あや美先生、塩見卓也弁護士、中岡基明副委員長(全労協事務局長)からお話をいただきました。

禿さんは、格差・分断が日常になってしまったその過程や歴史についてのご研究を重ねてこられ、シンポジウムでは労働者の分断の背景にあるもの、賃金の決め方についての問題点、そしてユニオンが今後果たすべき役割について、貴重な示唆に富んだお話をしていただきました。

塩見弁護士は、これまできょうとユニオンの裁判を多くご担当いただいていますが、307日にわたる職場占拠ストライキで闘ったiWAi争議を始めとして多くの画期的な判決を勝ち取ってこられています。それら裁判の背景や意義を詳細に、とても熱く語って下さいました。「困難があっても見捨てない闘い」の重要性、必要性についてのご発言は多くの方の心に響いたことと思います。

中岡さんは全労協事務局長として、この日は国会前での重要な行動があったにも関わらず駆けつけていただき、「労働生産性」というマジックワードによって公共サービスが破壊され、「多様な働き方」という言説によって労働者・市民が分断されつつある現今において、「団結はどこから作られるのか」「社会的行政的組織としてのユニオン」といった重要課題について語っていただきました。

このシンポジウムの内容は、この秋に刊行を予定している「きょうとユニオン30周年記念誌」に詳しく掲載する予定です。

レセプションにも多くの方にご参加していただきました。参加者の方々からの暖かく力強いメッセージにとても励まされました。30年を振り返るスライドショーは、これも増補して記念誌に掲載を予定しています。

シンポジウム・レセプションともに、本当に多くの方々にご参加いただき、心より御礼を申し上げます。準備や会場設営・撤収など、たくさん汗をかいて動いてくれた組合員の皆さん、ありがとうございました。

きょうとユニオンは30年の経験を踏まえ、よりよい労働社会の実現に向けて、これからも歩みを進めて行きます。ともにがんばりましょう!
〈きょうとユニオン副委員長 笠井弘子〉