パート5名の雇い止めを撤回させる/札幌地域労組恵友会支部

〈札幌地域労組副委員長 鈴木一〉

4月4日、社会福祉法人札幌恵友会において団体交渉が開催された。交渉の課題は、老健施設アカシアハイツ(100床)のパート介護職5名に対する雇い止めの撤回と、介護課長によるパワハラ問題。

とても重たい課題だったため、決裂した場合に備え争議行為に入ることを予告、介護職の過半数を越える仲間が団体交渉に駆けつけ、その勢いでグイグイと法人側を押し続けた。

その結果ついに突破口が開け、5名の雇い止めは撤回され、パワハラについては理事の一人から誠実な謝罪があった。おそらく、パワハラ上司は、もうこの職場には出て来られないだろう。

札幌恵友会(15の介護施設を運営)で組合が結成されて約2年半が経過したが、実は、このアカシアハイツにはその数年前からUAゼンセンが組織する札幌恵友会労組が存在し、札幌地域労組はなかなか入り込めなかった。しかし今回のパワハラ事件を契機に、一気に地域労組の組合員が増えた。

地域労組が結成された際、UAゼンセンの地元オルグは好機到来とばかりに、理事長に対し法人を批判する地域労組のビラを示し「この組合は理事長の退陣を迫るような過激な組合。私たちが理事長をお守りします」と労使協調をアピール、理事長と意気投合した。それから間もなく、行政から4度目となる改善命令が出され、激しい団体交渉の末、地域労組は理事長を追放した。

その後、UAゼンセンの組合は細々と維持されていたが、先日、書記長による不祥事が発覚、ついに組合は消滅した。

文際学園は不当労働行為を直ちにやめろ/大阪高裁への控訴に断固抗議 する/なにわユニオン

〈なにわユニオン〉 
 2018年2月28日大阪地裁は、大阪外語専門学校を運営する文際学園伊勢洋治理事長
に対して、なにわユニオン大阪外語分会に対して行ってきた、不当労働行為を認める
判決を行いました。
 
 この判決は、大阪府労働委員会が2016年10月11日に財務諸表開示についての不当労
働行為救済命令、2017年3月13日に再雇用の労働条件は義務的団交事項であるとする
不当労働行為救済命令を出したことに対して、文際学園が取り消しを求める行政訴訟
を行っていたことに対する判決でした。
 
 なにわユニオン大阪外語分会は、2006年以来文際学園が行ってきた就業規則の改
悪、昇給なし、一時金の大幅カット(約0.1ヶ月支給)、退職再雇用時の労働条件に
ついて団交を行わないなどの数多くの不当労働行為に対してストライキで闘うととも
に、大阪府労働委員会委員会の救済命令を勝ち取ったのでした。文際学園伊勢洋治理
事長の本拠地である日本外国語専門学校(東京都新宿区下落合)門前でコミュニティ
ユニオン全国ネットワーク首都圏行動に参加したユニオンとともに抗議行動なども
行ってきました。
 ところが、文際学園は命令を無視し、取り消しを求める行政訴訟の暴挙に出たので
した。
 
 大阪地裁は財務諸表開示については、命令取り消しを大筋で認めず、なにわユニオ
ンを財務諸表開示にあたっての関係団体と認めました。再雇用については命令取り消
しを全面的に認めない判決を下したのです。
 
 この判決に対して、文際学園は、不当にも大阪高裁に控訴しました。ユニオンとの
自主的な解決を行わない不当な控訴であり、大阪府も一部認められなかった命令につ
いて控訴しました。なにわユニオンは文際学園の控訴を断固糾弾します。
 文際学園は直ちに大阪府労働委員会が下した命令に直ちに従い、なにわユニオンに
謝罪しなければなりません。
 今後もなにわユニオンは不当労働行為を許さず闘います。

明智ゴルフ倶楽部労組の闘い/17.11月二日間のストライキ/岐阜一般 労組

明智ゴルフ倶楽部労働組合は2015年10月に結成されました。従業員には経営側に対
して、一人では発言あるいは提案の場所・機会がないことから、意見・提案を有効、
かつ具体的に経営に反映させ、安心して働き続けることのできる職場をつくる手段と
して、労働組合が必要であると判断し結成に至りました。
結成当時、急な社長交代を経て新体制になり1年が経過していましたが、従業員の
待遇や職場環境に改善がなされている実感はありませんでした。ベースアップも行わ
れず、人員削減による業務量の増加、頻繁に行われる人事異動による不安定業務、不
明確な継続雇用制度、55歳時点での身分変更に伴う給与の減額、残業申告すると叱
責される理不尽さに加え、経営方針や指示命令系統が全く明確に示されず経費削減の
みを強要される反面、経営側の不可解な経費使用が明確になるなどにより、私たちの
労働意欲は著しく損なわれていました。
 
私たち労働組合は、経営側と無益な対立を繰り広げるつもりは到底なく、職場環境
や待遇の改善を随時経営側に申し入れ、顧客へのサービス向上と企業倫理の確立、労
使一丸となって会社が最適・最善の道を選択し発展できるよう協力することを目指し
てきました。

しかし、2年間にわたる団体交渉のすべてにおいて社長は一度も出席せず、主に弁
護士と社労士の2名が代理権があるとして、労組の要求や提案を一切聞き入れないゼ
ロ回答を繰り返してきました。

このような状況下で、2017年8月~9月に明智ゴルフ場の男性正社員の料理長、料理
主任と料理人の3名(内2名が組合員)が集団で退職しました。最大の理由は長年継続勤
務し、責任ある職務に就いているにもかかわらず、それに見合った昇給がないことへ
の不満と、取締役に対する様々な不信感です。労組は再三ベースアップや待遇の改善
を要求し、最終的には35歳以下の若年層の給与待遇だけでも向上させるようにと要
求してきましたが、全く聞き入れられなかったことが貴重な人材の流失という形で表
れてしまいました。このような事態は今までも何度も繰り返されてきましたが、何の
対処もされてこなかったのです。この集団退職直後、4名のレストラン従業員(組合
員)が、取締役2名に対し責任を追及し、今後も退職者が増えることが予想されるとし
て、給与改善を訴えました。しかし、会社はこの行為を規律違反として処分しまし
た。
 
そのため労組は以下の要求を掲げて、団体交渉を行いましたが、決裂したためスト
決行となりました
 ①給与改善。②レストラン社員4名の処分撤回。③担当取締役の謝罪。
スト自体は、2017年11月11日(土)・12日(日)2日間にわたり、賑済寺ゴルフ場及び
かしおゴルフ場にて9時~14時までの時限ストライキとなりました。

組合員は9時から14時まで、フロント業務、ポーター業務、コース管理業務、レス
トラン業務から離れ、2ヵ所のレストランに結集し、プラカードを掲げ職場集会を開
きました。この決行に当たり労組は長期間、熟慮に熟慮を重ねました。法的には告知
の義務はありませんが、最優先させるべきは「お客様」であることは揺ぎ無いもので
あったため、スト日時の告知に踏み切りました。またお客様にはストライキの経緯に
ついての説明を書面にして配布しました。これに対し会社は非組合員社員を集め、弁
当を用意する等でお客様に対応していました。集会中にやっと社長が姿を現したため
組合員全員で話し合いを求めましたが、「時間をくれ」との回答しかなく、未だに回
答はありません。

決行中、お客様から激励のお言葉をたくさん頂戴でき、最大の励みになりました
が、多くの組合員から「お客様に弁当を食べさせることが心苦しい。」「弁当を用意
する前に、話し合いが先でしょう。」との意見も出ました。
 
その後、会社側はストを警戒する姿勢を見せているものの何の回答もないため、12
月4日に岐阜県労働委員会に不当労働行為救済申立を行ったところです。
 また株主総会においてストに至る経緯と労組の思いを文章にして株主に配布しまし
た。総会では批判と応援の意見が出ましたが、大きな混乱はなく終了しています。労
働委員会については、調査期日も決まっていませんが、正常な労使関係の構築がなさ
れることを期待しています。〈岐阜一般労組 明智ゴルフ労働組合 執行委員長木村智〉
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