農機メーカー大手「井関農機」(松山市)の子会社2社に勤める契約社員計5人
が、同じ仕事内容の正社員と待遇に格差があるのは労働契約法違反だとして、2社に
手当などの差額分計約1450万円の支払いを求めた訴訟の判決が24日、松山地裁
であった。久保井恵子裁判長は、手当の不支給を「不合理」と認め、計約232万円
の支払いを命じた。
一方、賞与については、正社員への支給が「人材の獲得と定着を図ることに合理性
がある」と述べ、原告側の請求を退けた。
原告は、愛媛県内に住む35~52歳の男性。2007~08年、松山市の井関松
山ファクトリーと井関松山製造所に契約社員として入社後、有期契約を更新し、工場
でトラクターの製造などに従事してきた。
久保井裁判長は判決で、同じ製造ラインで働く正社員と比べ「業務内容に大きな相
違があるとはいえない」と指摘。生活費を補助する手当や家族手当や住宅手当などに
ついて、「正社員であれば職務内容にかかわらず支給されており、契約社員に支給し
ないのは不合理だ」などとした。
2018年04月25日 Copyright (c) The Yomiuri Shimbun