CUNN事務局通信（2025.11.26）

闘い

1.京都で最低賃金をめぐる諸行動を展開

2025年11月21日、京都府の最低賃金発効日にあわせ、きょうとユニオンも参加する「ユニオンネットワーク・京都」が、最賃行動に取り組みました。まず、京都地方最低賃金審議会に対し、京都府最低賃金発効の遅延に抗議する申入書を京都労働局に提出しました。その後、近隣のハローワーク前で、最低賃金の改定発行日であることの周知、最賃の更なる引上げを訴えるアピール行動とビラまきを行いました。ビラの受取りはあまり芳しくなかったのですが、話しかけてくる方もあり、関心を持ってもらうことはできたと思います。

その後、3つのグループに分かれ、県境アクションとして、京都府と隣接する滋賀、大阪、奈良の府県境で、賃金格差を示す表示を掲示し、写真撮影を行いました。下記3点は本当にとても近いのです。

＜京都-滋賀　髭茶屋追分（旧東海道と奈良街道の分岐点＞

＜京都-大阪　JR山崎駅ホーム（ホーム上に県境があり、それを示す標識がある）＞

＜京都-奈良　イオンモール高の原店舗内（店舗内に県境表示がある）＞

情報

1.「同一労働同一賃金指針の見直し案が示される（11/21　労働政策審議会職業安定分科会 雇用環境・均等分科会同一労働同一賃金部会）」（各紙が報道）

厚生労働省が労働政策審議会に同一労働同一賃金指針の見直し案を示した。家族手当や住宅手当、無事故手当、退職手当などをめぐる最高裁判決を踏まえて、格差是正を求めるもの。毎日新聞は「非正規労働者に家族手当求める」と見出しをつけている。正式に決まるのは少し先であり、いずれにせよ、あくまでも指針なので労働組合がしっかりしなければ実効性は確保できない。

2.「学び直し支援　非正規も必要」（11/26日経から）

慶応大教授の山本勲氏は、生成ＡＩが日本の労働市場に与える影響として、ＩＴ技術者の人出不足にプラスの影響があるとする。すでに、高スキル・高所得層の技術者ですら必要がなくなる段階に移行しつつある。ＡＩを使いこなしつつ、人間にしかできないことを探していくことを繰り返すことになる。政府の役割としては、最も影響を受けやすい非正規労働者対策が欠かせない。正社員は社内の配置転換で対応できるが、非正規はそうならないことが多いので、非正規のリスキングこそ政府の役割である。

労働組合としては非正規労働者の雇用責任に当然こだわる。そして、経済的支援はもちろんあった方がよいが、リスキング＝学び直しを労働者個人の責任とされることには大いに違和感がある。まずは正規も非正規も新しいことを積極的に学べるだけの職場のゆとりや労働時間短縮こそが、絶対必要条件である。

（文責　川本浩之）