
事務局(よこはまシティユニオン)
〒230-0062
神奈川県横浜市鶴見区豊岡町20−9
TEL:045-575-1948

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ひとりでも、雇用形態に問わず加入できる地域に根差した労働組合が集まった組織、コミュニティユニオン全国ネットワーク。全国33都道府県で79団体が加盟しています。本コーナーでは、ひとつひとつのユニオンに話を聞き、個々のユニオンをどのような人が支えているのか、紹介します。第四回目は、愛媛県で精力的に活動を続けるユニオンを紹介します。(聞き手:CUNN事務局)

<井関労契法20条同一労働同一賃金裁判の入廷行動>
えひめユニオン
| 組合結成年 | 2000年 |
| 組合員数 | 41人(トラックドライバー、看護師、福祉関係、設計関係など。/インタビュー当時) |
| 組合員の職業 | 介護、バス運転手、工場、医師など。 |
| ホームページ | https://ehimeunion.yukigesho.com/ |
| 電話番号 | 089-924-2497(受付時間:24時間対応(!) 寝ているときや用事があるときは出られない。) |
インタビュー日:2025年8月19日

<春闘集会で報告する栗林さん>
―今回は、えひめユニオンの書記長・栗林周次さんにお話を伺います。よろしくお願いします!
まずはじめに、えひめユニオンは、どのような経緯で結成されたのか教えてください。
1990年くらいからパートや非正規などの不安定労働に注目がされるようになって、全国でも次々にユニオンが結成されていました。
わたしは当時、全電通(今のNTT労組)の組合員でしたが、他の組合で活動している仲間と一緒に、2000年の頭に「雇用不安119電話相談」という相談ダイヤルをやったんです。
全国でもやっていることだから、愛媛でもやってみようという感じで。
すると、新聞やチラシなどでしか宣伝をしていなかったのに、想像以上の数の電話がきました。
地域には困っている人がたくさんいたんです。
しかし、相談をたくさん受けていても、地域ユニオンがなければ、こういう相談を解決できないということで、そこから半年ぐらい後の2000年7月にえひめユニオンを結成したと聞いています。
……聞いていますというのは、私は雇用不安119電話相談には関わりましたが、ユニオンの結成には消極的で、主体的に結成に関わった訳ではないのです。
労働組合には入っていても個人加盟型のユニオンの経験がある人はいませんでしたし、一度始めたら簡単に後戻りはできないのに、継続できるのかという心配がありました。
それでも結成されたので、責任もって関わっています。
―労働相談を受けてみると、非正規雇用や職場に組合のない人たちがどれだけユニオンを必要としているかが分かって、必要に迫られての結成だったんですね……!
わたしは、職場の組合には加入していましたが、団体交渉があっても役員だけが対応していて、末端の組合員はチラシを受け取るだけ。
自分では団体交渉に出席したこともありませんでした。
大企業で労使関係も安定しているので、不当労働行為とも縁遠いです。
しかし、ユニオンえひめでは、自分達が主体的になって団体交渉をやったり、不当労働行為の救済申し立てや団体行動なども行います。
分からないことも多いので、仲間と学習会もたくさんやって、その中で成長していったと思います。
2000年7月にユニオンを結成しましたが、愛媛に閉じた運動ではなく、全国に開かれた運動をしようということで11月に臨時大会を開いてコミュニティユニオン全国ネットワークへの加盟を決定しました。当時の書記長の提案でした。

<最低賃金1500円を求める街頭宣伝>
―地元の仲間とゼロから作ったといっても過言ではないえひめユニオンですが、印象に残っている争議はありますか?
井関農機の子会社で有期契約労働者が正社員との不合理な格差是正(同一労働同一賃金)を求めて裁判を行い、住宅手当、精勤手当、家族手当、物価手当などの支給が認められました。
賞与の格差について不合理と認められませんでしたが、ほとんど勝利と言って良い。
2015年に提訴して、2021年に終わったので、長い裁判でしたが、大きな成果がありました。
―他の会社でも、長く働いているのに雇用形態だけが理由で賃金が不当に低いところは多いと思います。この判決は、多くの非正規労働者の希望ですね!
個人的に一番印象に残っているのは、やはり一番最初に関わった2004年の裁判闘争です。
六時屋タルトという愛媛で最も有名なお菓子会社で、暴力事件と解雇、賃金未払いがありました。
社長秘書が、当時の社長から日常的に殴られたり蹴られたりしていたんです。殴られた後眼鏡が壊れても「金を出すから眼鏡を変えて来い」と言われていたんですよ。
団体交渉、民事調停、仮処分裁判、本訴……、すべてが初めてなので、勉強しながらですが、色んな闘争を網羅的にやったので印象的でした。
本人は、職場復帰はできませんでしたが、最終的に未払い賃金も含めて和解しました。
ここの会社は、社長が悪かっただけで、お菓子は美味しいし、従業員は一生懸命仕事をしています
―地元の銘菓なら、余計に地元の従業員を大事にしてほしいですね。
―最後に、栗林さんの休日の過ごし方を教えてください。
ボランティア活動が趣味のような感じです。
ユニオン活動のほかには、障害者スポーツの指導員、救命救急の講師、認知症サポーター、高齢者の健康増進のために、地域の保健推進ボランティアなど。
社会に対して、自分が持っているものを還元する活動が、僕のライフスタイルです。
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<障害者スポーツボランティア(左マスクが栗林さん)>
―真面目な話が続いてしまう……。好きな食べ物はなんですか?
好きな食べ物は、特にありません。
生きるために食べているので。
リンゴは嫌いではないです
―いちから十まで真面目な栗林さんでした。
愛媛で困ったら、えひめユニオンへ相談を!