
事務局(よこはまシティユニオン)
〒230-0062
神奈川県横浜市鶴見区豊岡町20−9
TEL:045-575-1948
事務局(よこはまシティユニオン)
〒230-0062
神奈川県横浜市鶴見区豊岡町20−9
TEL:045-575-1948
謎が多いユニオン業界をどのような人が支えているのか、紹介します。委員長も、社長からの暴力被害、さらに解雇までされた労働者だった!?(聞き手:CUNN事務局)
名古屋ふれあいユニオン
組合結成年 | 1999年 |
組合員数 | 400人(40%が外国籍の組合員) |
組合員の職業 | 自動車製造、大学教員、委託清掃(市の家庭ごみ収集)など |
ホームページ | https://nagoya-union.online/ |
電話番号 | 052-526-0661(受付時間 12:00-18:00 [ 水・土・日・祝除く ]) |
<街頭宣伝中の鶴丸さん。日本企業親会社が韓国子会社で労働者の雇用保障をしなかった韓国ワイパー闘争の支援もしていました>
インタビュー日:2024年12月20日
―コミュニティユニオン全国ネットワークに加盟するユニオンを紹介する企画。
今回は、自動車産業の盛んな愛知県で根強く活動している名古屋ふれあいユニオンの鶴丸委員長にインタビューをしました。それでは早速。鶴丸さんが名古屋ふれあいユニオンに関わるようになったきっかけを教えてください。
もともとは、食品加工系の会社で商品開発の仕事をしていました。従業員40人程度の小さな会社で、自分は職種的にも、社長と直接やりとりする機会が社員の中で一番多かったんです。
社長が毎日あまりにも理不尽なことを言うので、それに対して反論していたら、社長から嫌われていきました。
ちょうどそのころに就業規則の変更があって、労働者代表の選出をする必要があったのですが、従業員で話し合った結果、僕が労働者代表になりました。そのことを社長に報告すると、社長は「選びなおせ」と言ってきて、さすがにそれに対してはみんな反発しました。
―労働者代表は、労働者が民主的に選出するもので、社長から「選びなおせ」なんて言われる筋合いはないですよね……。
普段は反発するのは僕しかいなかったので、社長は驚いたみたいでした。本社にいた社員全員を小さな応接室に呼びつけ、怒鳴りつけたり、髪の毛を引っ張ったりして、もみくちゃになりました。その次の日に僕は解雇され、3日後には先輩も解雇されました。監督署や弁護士に相談したりもしたけど、すぐに問題解決が出来ないことが分かって、そのときに労働組合があることを知りました。
インターネットで名古屋ふれあいユニオンのことを知って、すぐに電話しました。
正社員が10人いたのですが、9人が組合に入りました。1回目の団体交渉で解雇は撤回され、解雇されてから1か月で復職できました。
―労働者代表になったことがきっかけとして解雇は、デタラメすぎまもんね。とはいえ、1ヶ月で解雇撤回は、裁判では絶対に勝ち取れない成果です。まさに、労働組合の力ですね。
解雇撤回された時点で、勤続3年くらいだったんですが、この後も不当労働行為は3~4年続いて、組合事務所に行く回数も多くて、他の争議をみたり、交渉をする機会もありました。そのうちに、ちょうどユニオンの次の世代をつくりたいという話を聞いてその時の仕事を辞めて、名古屋ふれあいユニオンの専従スタッフになりました。
―自分が職場で闘ったからこそ、いま職場で辛い状況にある人の話を親身に聞けるんですね……!
―自分の職場の問題からユニオン運動に関わるようになって、一番印象に残っている争議は何かありますか?
全ての争議が大事なものですが、強いて一つ上げるのであれば、碧海工機の雇い止め事件でしょうか。2020年に、コロナ禍を象徴するような争議でした。
コロナ禍で、自動車メーカーが生産を止めたことは覚えていますか?生産を止めることを決めるのは、内部留保がたくさんあるような超大手企業ですが、そこに部品を供給している下請けの会社は、ただでさえ自転車操業でギリギリの経営をしているので、売り上げがなくなってすぐにお金が続かなくなって、多くの雇い止めと解雇が発生しました。
もちろん雇い止め・解雇をした下請けの会社は良くないですが、そもそも、下請けの会社が労働者をしっかり雇用できるだけのお金を、自動車メーカーからもらえていなかったという問題もありました。
自動車メーカー自体は、直雇用の労働者の身分については完全に保障できていて、これは個々の会社の問題というより、構造的な力関係の問題だと思いました。大手自動車メーカーはどこも「ビジネスと人権」を謡っていて、彼らが使う自動車の部品をつくっている会社は関係取引先になりますが、そこの労働者の人権には全く関与していません。
ユニオンなので、目の前の企業と交渉をするのが前提ですが、社会構造自体がおかしいことを感じる争議でした。
―本当ですね……。自転車操業のように経営している中小企業は、少なくないですが、大企業も、そのような会社から部品を買って、自社の製品を作ることができているのです。内部留保もたくさんある大企業(2020年トヨタ自動車の内部留保は27兆円)は特に、下請け会社が社員の雇用責任を果たせるように補償をしてほしいですね。
―名古屋ふれあいユニオンは、移住労働者の労働事件を多く扱っていますが、最近はどのような争議をしていますか?
ここ数年は、移住労働者の同一労働同一賃金の交渉が増えています。
それと、派遣労働者が妊娠して、派遣契約も雇用契約も切られてしまうという相談も毎年のようにきています。本来であれば、出産前と同じ職場で働けるべきだと思いますが、派遣法の仕組みからして難しく、現実的には雇用契約を維持した状態で、産休・育休を取るまで休業させるという解決がほとんどです。
育休が明けた後で仕事が紹介されない場合は、生活保障を求めています。
―移住労働者も、この土地の生活者ですから、妊娠などの突然のライフイベントが起こるのは当然なのに、雇う側にそこへの備えが無さ過ぎるのは問題ですよね。性差別にも関係しますが……。
―かなり忙しくしている鶴丸さんですが、お休みの時間はありますか?どのようなときに癒しを感じますか?
しっかり休める日は多くはないのですが、道を歩いていて、スミレや小さな植物が生えているのを見るのが好きです。ツマグロヒョウモンという蝶々がいて、幼虫がスミレを食べるのですが、サナギの柄が面白いんです。
スミレを摘んで家の前に植えると、その幼虫やサナギがいたりして、嬉しいです。
それと、植物を散歩して見てまわったり、夏は、昆虫を探しに山に出かけたりしています。
最近入った組合員の人が昆虫マニアの人で、話が盛り上がっています(笑)。
―昆虫好きの人はぜひ名古屋ふれあいユニオンへ!(笑)今回はお話いただきありがとうございました。