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闘い
「無期転換と未払賃金獲得 正しいことを頑張れたという成果と喜び」(連合福岡ユニオン)
先輩がパワハラで退職したことをきっかけに会社の労働問題に向き合おうと思った。見ていることがつらくて、会社の相談窓口に相談したが改善はなかった。そこで何か一つでも改善できないかと、15分未満の残業代や制服の着用が義務付けられているのに着脱時間の賃金が支払われていないので、会社に請求したが拒否されたため労働基準監督署に申告した。着脱時間は指導されて支払われたが、残業については申請制だったため、申請していない時間分は指導できないと言われた。
そんな時に母が何か良い方法が見つかりますようにとお宮参りに行った帰りのこと、パン屋さんで隣に座った方がユニオンのことを教えてくれて、「娘さんは正しいことをしているので頑張って」と応援までしてくれたという。ユニオンは、私が有期雇用であることから解雇を懸念して、まずは無期転換を申し込むようにアドバイスしてくれた。会社は無期転換する場合は部署異動があるからという。ユニオンにアドバイスを求めて労働契約法に基づく主張を行ったところ、条件なしに無期転換ができた。ところが会社は、今まで持ち場を毎日変えるシフトだったのに私一人だけ固定したり、「あなたが会社の悪口を言うのが嫌だという人が3人いる」などと言ってきました。悲しかったり、つらくなったが、ユニオンの皆さんとお話ししたり、機関誌で体験談を読むことが大きな支えになった。
その後団体交渉で15分未満の未払賃金を獲得して、全員が1分ごとに支払われるようになった。シフトの配置も元通りになった。私が請求した未払賃金の金額だけ見れば小さなことだが、そのために尽力してくださったユニオンの方の労力と思いはとてつもなく大きい。正しいことを頑張れたという事実が、私が得られた一番の成果であり、喜びだと思う。
情報
「ディップの隙間バイト 直前の採用中止給与を全額補償」(3/12日経から)
ディップはスポットワークサービスで、事業主の都合で勤務直前に採用を取りやめる場合、スポットワーカーに給与の全額を支払う仕組みを4月中に導入する。給与は事業主が負担するが、2024年10月のサービス開始以降に同様の理由で就業できなかった人に対してはディップが負担して給与を補填していく。労働基準法では会社都合で休業させた場合には60%の休業手当を支払わなければならないが、スポットワークでは雇用関係を就業開始直前に結ぶことが多く、スポットワーカーは雇用主都合で採用を取り消されても受け取るはずだった給与は補償されにくい。最大手のタイミーは勤務当日に雇用主都合でキャンセルする場合、交通費と給与の一部の補償を雇用主側に要請している。シェアフルは勤務開始2日前から報酬の一部が保障される仕組みを導入している。
「職場結婚の教員雇止めで提訴 宮崎産業経営大学の助教ら」(3/12各紙)
宮崎産業経営大学の40代男性教授と30代女性助教が、職場内結婚をしたことを理由に女性助教が雇止めされたことについて、損害賠償や地位確認などを求めて宮崎地裁に提訴した。教授は2024年7月に学長に結婚を報告したところ、学長は不快感を示し、24年度末で助教を雇止めすると通告してきた。12月に2人に対する懲戒手続きの文書には、「産経大は小規模であり、夫婦共稼ぎはご遠慮いただく不文律がある」と記されていた。25年2月26日付で教授は准教授に降格、助教は事務職に配置転換された。大学側は「雇用関係をめぐる争いではなく、学園の秩序・規律を乱した重大な規律違反の問題」などとするコメントを出した。
(文責 川本浩之)