CUNN事務局通信(2026.06.06)
目次
情報
1.人材派遣5社に公正取引委員会が立ち入り検査(6/3各紙など)
派遣料金の引き上げを巡る価格カルテルの疑いで、公正取引委員会が人材派遣大手5社を立ち入り検査した。5社はパーソナルテンプスタッフ、スタッフサービス、リクルートスタッフ、アデコ、マンパワーグループ。公取委は2023年度以降の派遣料金引き上げにあたり、各社が全国規模で不当な価格調整をしたとみている。人手不足などを背景に人材派遣の需要は高く、料金の上昇が続いている。カルテルで自由な価格競争が妨げられたとすれば、こうした経済情勢に便乗した悪質な行為と言わざるを得ない。学習院大の橋本陽子教授(労働法)は、「派遣料金の引き上げは、本来労働者の待遇改善に用いるべきだ」と語る。人材派遣業界では、認められていない分野への派遣、二重派遣などの違法行為が相次ぎ発覚した。2008年のリーマンショック後は「派遣切り」が社会問題化した。法令順守の軽視は依然として目立ち、国が問題のある派遣会社に文書指導をした件数は24年度で1万4255件に上る。
2.「高齢者もスポットワーク シルバー人材センターの会員数減少」(6/5日経から)
シルバー人材センターの会員数は、2009年度のピーク時の79万人から24年度には67万人に減少した。一方で、スポットワーク「タイミー」に登録するシニアは1年で2倍に増えた。東京23区のシルバー人材センターで清掃業務をみると、最低賃金の1226円やそれをわずかに超える水準の募集が多い。民間の求人情報サービスで清掃業務を探すと、時給1500円を超えるものもある。そもそもシルバー人材センターの扱う仕事は「生きがいを得る」ための軽微な仕事が多く、収入面では民間経由の求人を下回ることが大半。ちなみにシルバー人材センターでは74歳までの会員数が減少傾向にある一方で、75歳以上の会員は増えている。
記事では収入の事しか触れられていないが、労働者と同じように働いているのに労災保険が適用されないなど、シルバー人材センターの仕事のありかたにはたしかに課題が多い。そのうえでスポットワークではなくて、賃金額にだけこだわるのではなく、雇用でも安全衛生の面でも安定した労使関係であるべきだ。
3.「労組で傾聴力磨く すかいらーくHDの佐藤拓男社長」(日経6/5から)
今年の3月にすかいらーくホールディングスの社長に就任した佐藤拓男氏は、高校時代のアルバイトからすかいらーくの店舗で働き、大学卒業後に1993年に入社。同期の中でいち早く「ガスト」で店長を務めるなどしたが、2005年に労働組合の執行委員に就任、専従になる。当時会社は利益が上がらず苦境に立たされており、山積する課題に組合員の声に耳を傾けて交渉にあたった。それまでは自分が先頭になって周囲を引っ張っていくタイプだったが、「人の話に真摯に向き合う傾聴力が身に着いた。組合活動が人生の転機になった」という。
(文責 川本浩之)