
事務局(よこはまシティユニオン)
〒230-0062
神奈川県横浜市鶴見区豊岡町20−9
TEL:045-575-1948

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ひとりでも、雇用形態に問わず加入できる地域に根差した労働組合が集まった組織、コミュニティユニオン全国ネットワーク。全国33都道府県で79団体が加盟しています。本コーナーでは、ひとつひとつのユニオンに話を聞き、個々のユニオンをどのような人が支えているのか、紹介します。
第三回目は、大阪・茨木市で、学習塾も運営しているというちょっと変わったユニオンを紹介します。
(聞き手:CUNN事務局)
サポートユニオンwith YOU
| 組合結成年 | 2011年 |
| 組合員数 | 150人(サポート会員含め/インタビュー当時) |
| 組合員の職業 | 介護、バス運転手、工場、教員など。 |
| ホームページ | https://www.withyou2011.com/ |
| 電話番号 | 072-655-5415(受付時間 8:00-22:00) |

<写真①左から島野事務局長、堀切さん>
インタビュー日:2025年6月23日
―大阪の茨木市や高槻市を中心に活動するサポートユニオンwith YOUは、労働組合の活動だけでなく、低額で利用できる学習塾の運営もしています。 今回は、サポートユニオンwith YOUのスタッフ・堀切哲さんにお話を伺います。よろしくお願いします! 皆さんに聞いていますが、まずはじめに、堀切さんがユニオンに関わるようになったきっかけを教えてください。 僕は氷河期世代で、就活は大変だったのですが、23歳くらいのときに、なんとか携帯電話会社の子会社のデータセンターで採用され、契約社員として働いていました。 携帯電話の新規契約の事務手続きをする部署なのですが、特に携帯電話の機種変更が多い年度末と、新型iPhoneが発売される繁忙期は長時間労働をするのが当たり前で、多いときで、月に80時間以上の残業をすることもありました。 土日も関係なく働き、長期休みもありませんでした。 年末年始ですら、大晦日は早上がりをしましたが、正月には出勤していました。 携帯電話会社なので、親会社は超大手ですが、当時の僕は、有給も、ボーナスの存在も知りませんでした。 普通の会社は、半年働けば有給休暇が付与されますが、僕の会社では半年ごとに系列子会社に転籍をさせていて、業務内容は変わらなくても、雇用主が半年ごとに変わるため、有給がつくことはありませんでした。
―「半年ごとに転籍させて有給を付与させない」って、本当に悪質な会社ですね。 携帯電話は今の私たちの生活にはなくてはならないものですが、その裏に、このように過酷な環境で働く労働者がいたのですね……。 長時間労働が続いてメンタルがやられ、通勤電車を待っているときに、「あと1歩踏み出せば……」と思ってしまうような精神状態でした。 当時の僕は、ユニオンに相談するということを知りませんでしたし、「長時間労働という問題がある」ということは知っていましたが、自分が当事者になるとは思っていませんでした。 労働組合も、大企業や正社員のためのものだと思っていましたし……。 そこの会社では2年働いていましたが、メンタルだけではなくて、暴飲暴食を繰り返したりして、胃潰瘍と心筋梗塞になり、最終的には精神科医のストップがかかり、退職することになりました。 ―大変な経験でしたね……。 退職した後は、しばらく引きこもっていました。 思い出したように短期の仕事をしたりもしましたが、フルタイムの仕事はしんどくて、できませんでした。 そうしているときに、知人の紹介で、サポートユニオンwith YOUでスタッフを募集していることを知り、働くことになったんです。 はじめは、次の仕事をするためのつなぎだと思っていたのですが、ずるずる在籍して、今に至ります(笑)。 ユニオンに入ってから、労働法の勉強をするようになって……。 昔の自分のようなしんどい立場にある非正規労働者のための活動が、僕の原点だと思います。

<事務所の案内をする堀切さん。事務所は阪急茨木駅直結で便利。>
―辛い経験をしているスタッフがいるからこそ、今長時間労働で悩んでいる人も、相談しやすいと思います。 サポートユニオンwith YOUはどのようなきっかけで結成された組合なんですか? 僕が加入する前の話ですが、中学校や高校の教員で、熱心に労働組合活動をしていた人たちが、地域で非正規労働者や労働組合がない職場で働く市民のために貢献したいという思いで結成した組合です。 教師の人たちが主体の組合なので、高校生などに対するワークルール教育の出前講座に力を入れていたり、ひとり親など経済的困難家庭向けに廉価の学習塾も運営しています。 この学習塾はシングルマザーで働く相談者が経済的に子どもを塾に通わせることが出来ないという声から始まっていて、元教員の組合員や、大学生のボランティアが先生となって、小学生や中学生に向けて勉強を教えています。
―こどもから大人までユニオンに関わることができるんですね!
―印象に残っている労働争議はありますか?
工業系の大企業の事務員さんが、大阪で、通勤30分の支店から2時間30分の支店への配転を命じられた事件です。
この方は、親の介護や中学生になる子供の世話もあったため、配転命令には応じられませんでしたし、そもそも配転自体が嫌がらせ的なものでした。
1年間交渉をして、今は配転命令の撤回を勝ち取り、元の職場で働けるようになりました。「ユニオンのおかげで機嫌よく働けている」とお話していて、とても嬉しかったです。
お子さんと一緒にユニオンの行事にも参加をしてくれ、ユニオンを「生きた社会科の教科書やで!」と伝えてくれています。
―通勤時間が2時間増えるのは、介護や子育てを抱える労働者にとっては死活問題ですよね。
粘り強い交渉のおかげで、配転撤回を勝ち取れたんですね!
まさに、地域に根差したユニオンという感じですね。
─最後に、堀切さんの休日の過ごし方を教えてください。
乗り鉄として、全都道府県を制覇しています。電車に乗って、途中下車して、地元の美味しいものを飲み食いしています。
上野―札幌の夜行列車カシオペアは、2016年に廃線になりましたが、その直前に乗ることができてとても感動しました。
僕が大学生のときには、夜行列車が次々廃線になっていく時期で、最後に乗るために各地を巡っていました。
昔は、見知らぬ地域の鉄道車両や風景を楽しめれば良かったのですが、最近はちゃんと観光もしたくなってきました(笑)
あとは、アニメを見たり、ゲームをしたりするのも好きです。

<熊本大会に向かう途中の寄り道、豊後森機関庫>

<上田電鉄、別所温泉駅にて>
―多趣味な堀切さんでした。長時間労働で悩んでいる人は、気軽にサポートユニオンwith YOUに相談してください!