目次
闘い
1.「組合員が地域ぐるみで高齢者の命の保障を要求」(東京東部労組葛飾福祉館支部)
社会福祉法人葛飾福祉館は、高齢者介護施設「こひつじデイサービスわが家」を一方的に閉所を決定しました。職員らでつくる全国一般東京東部労組葛飾福祉館支部は、利用者の高齢者やその家族らに向けた利用者説明会の開催を要求し、4月12日に実施されました。説明会には法人の大高幹理事長や大高雅子理事らが出席し、赤字を理由に4月末で閉所することを説明。利用者の家族からは「理事会は本当に経営努力してきたのか」という疑問が相次ぎました。理事長らは「このたびは断腸の思いで……」とくり返すだけで、事業継続のための具体的な努力を説明することができません。
「たった一枚の紙だけで施設を閉めると言われても来月から利用者は行くところがなく路頭に迷ってしまう。次の移動場所が見つかっても高齢者へのストレスは大きい。命にかかわる問題に理事会は向き合っていない」という怒りの声を家族と支部組合員が一体となってあげました。施設に長年通い介護を受けている高齢者の方々自身からも「職員の人たちには本当に良くしてもらっている。その施設がなくなるのはさみしい。(閉所の知らせには)びっくりしている」などと発言があり、突然の閉所通知に動揺を隠せない様子。
こうした切実で真剣な訴えに押される形で、理事長らは「利用者の方々全員が次の移動場所が見つかるまでは4月末の期限を過ぎても施設での事業を延長します」と回答し、その旨を記載した誓約書にその場で署名しました。東部労組と葛飾福祉館支部では今後も法人側の無責任かつ不誠実な閉所決定に対して高齢者の命を守ることを最優先に地域ぐるみで闘っていく決意です。みなさんのご支援をよろしくお願いします!
2.「時給40円アップ、65歳以上の賃金据え置きと70歳定年などの労働協約を締結」(西部リサイクルプラザ春闘報告 スクラムユニオン・ひろしま)
会社が広島市の事業を落札したものの、例年通りの入札価格であったため賃上げ交渉は難航が予想された。組合としては物価高、最低賃金の50円引き上げなどを勘案して時給100円の賃上げを要求。結果として一律時給40円アップ(月額にして約7000円)で妥結した。同時に定年を70歳として75歳までは本人の希望と健康状態によって契約更新すること、65歳以上の労働者に関しては賃金を据え置くという労働協約を締結した。
情報
1.福島、新潟での「反弾圧シンポジウム」への協力要請(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)
<要編集 折りたたみで掲載>添付の通り、全日建連帯労組関西生コン支部から、東北(福島と新潟)で開催されるシンポジウムへの協力要請がありました。詳しくは要請書の同支部担当の方まで直接ご連絡ください。ちなみに、CUNNの運営委員である北大阪合同労組の木村真委員長もパネラーの一人です。
2.「英国バーミンガムでごみ撤去に軍出動 収集作業員のスト続く」(4/15日経から)
財政破綻した英国第2の都市バーミンガムで賃金削減をめぐる市の提案を拒む労働組合がストライキを続けている。厚待遇の専門職の廃止や手当削減といった市の計画に労組が反発し、1月にストライキが始まった。3月には全面ストに突入、集結の見通しは立っていない。ストを指導する英国最大の労組ユナイトのグラハム事務総長は、「最大で年8000ポンド(約150万円)の減給になる。労働者に受け入れる余裕はない」と強調。有料の民間ごみ収集サービスで代替できない貧困エリアを中心に路上にごみ袋が積みあがる。ネズミは害虫の報告が増えており衛生面の不安が高まる。ごみ収集は自治体の仕事だが政府が介入せざるを得なくなり、陸軍の後方支援チームを現地に派遣し、ごみ撤去の計画策定を支援する。
バーミンガムは首都ロンドンに次ぐ都市で110万人余りの人口を抱えるが、2023年9月、事実上の財政破綻を宣言した。男女間の長年にわたる不平等賃金が原因である。女性職員らが訴訟を起こし、10年に雇用審判所が支払いを命じたところ、同様の請求が広がり、市の支払い能力を超えた。市は地方税の増額や歳出削減に着手。ごみ収集の給与体系の見直しは、同一労働同一賃金に向けた取り組みの一環だった。英タイムズによると、ブライトンやシェフィールド、バーネットなどでも自治体が男女の構造的な賃金格差をめぐる訴訟に直面している。
(文責 川本浩之)