組合員のSOGIハラ労災認定/多数メディア報道/プレカリアートユニオン

SOGIハラにより休職を余儀なくされたトランス女性の組合員が労災認定された件で、 11月10日、厚生労働省記者クラブで記者会見を行いました。 この労災認定の件について、多数のメディアで報道していただきました。

■ 事件を終えての感想

 性別は、「人格的生存」との関係において密接不可分であることに加えて、自認する 性別に即した社会生活の実施が重要な法的利益であると解されている。

Yによる被災 者に対する言動の数々は、そのような被災者の重要な法的利益を明らかに侵害するも のであった。 そのようなYによるハラスメント行為が、重大なハラスメントであるのは明白であ り、Yによるハラスメント行為が被災者に与えた心理的負荷は「強」と評価するほか なかった。

そのため、労基署による業務上という判断は、当然といえば当然の判断と いえる。 もっとも、長時間労働を伴わない、ハラスメントのみを具体的な出来事とする労災認 定は極めて稀なものである。

長時間労働がない中での労災認定は、率直に言うと困難 なものであると代理人としては認識していた。本件では、度重なるハラスメント行為 に苦しんでいた被災者が加害者であるYの発言を録音しており、その録音の存在が大 きな決め手になったものとみられる。

被災者が苦しい中でも録音するなど証拠を集め、勇気を出して労災申請に踏み出し、 その結果、職場での差別に悩む多くのLGBTQ当事者にとって希望に繋がる労災認定が 得られたと感じている。

被災者も、今回の労災認定について広く社会に知ってもらう ことを強く望んでいる。

以上が、代理人の小野山静弁護士による事案に関する説明です。 *****