文際学園は不当労働行為を直ちにやめろ/大阪高裁への控訴に断固抗議 する/なにわユニオン

〈なにわユニオン〉 
 2018年2月28日大阪地裁は、大阪外語専門学校を運営する文際学園伊勢洋治理事長
に対して、なにわユニオン大阪外語分会に対して行ってきた、不当労働行為を認める
判決を行いました。
 
 この判決は、大阪府労働委員会が2016年10月11日に財務諸表開示についての不当労
働行為救済命令、2017年3月13日に再雇用の労働条件は義務的団交事項であるとする
不当労働行為救済命令を出したことに対して、文際学園が取り消しを求める行政訴訟
を行っていたことに対する判決でした。
 
 なにわユニオン大阪外語分会は、2006年以来文際学園が行ってきた就業規則の改
悪、昇給なし、一時金の大幅カット(約0.1ヶ月支給)、退職再雇用時の労働条件に
ついて団交を行わないなどの数多くの不当労働行為に対してストライキで闘うととも
に、大阪府労働委員会委員会の救済命令を勝ち取ったのでした。文際学園伊勢洋治理
事長の本拠地である日本外国語専門学校(東京都新宿区下落合)門前でコミュニティ
ユニオン全国ネットワーク首都圏行動に参加したユニオンとともに抗議行動なども
行ってきました。
 ところが、文際学園は命令を無視し、取り消しを求める行政訴訟の暴挙に出たので
した。
 
 大阪地裁は財務諸表開示については、命令取り消しを大筋で認めず、なにわユニオ
ンを財務諸表開示にあたっての関係団体と認めました。再雇用については命令取り消
しを全面的に認めない判決を下したのです。
 
 この判決に対して、文際学園は、不当にも大阪高裁に控訴しました。ユニオンとの
自主的な解決を行わない不当な控訴であり、大阪府も一部認められなかった命令につ
いて控訴しました。なにわユニオンは文際学園の控訴を断固糾弾します。
 文際学園は直ちに大阪府労働委員会が下した命令に直ちに従い、なにわユニオンに
謝罪しなければなりません。
 今後もなにわユニオンは不当労働行為を許さず闘います。

ワタミ過労死遺族が自民党と渡辺美樹参院議員に抗議文/東京東部労組

自民党の渡辺美樹参院議員が「働くことは悪いことか。週休7日が幸せなのか」と
いう発言を国会で行ったことについて、渡辺議員が経営していた居酒屋チェーンのワ
タミで過労死した社員の遺族が3月29日、自民党と渡辺議員への抗議文を送りまし
た。

 渡辺議員は3月13日にあった「働き方改革」をめぐる公聴会で、公述人の東京過労
死家族の会の中原のり子さんらに対し、自民党を代表して質問に立ち、その場で「国
会の議論を聞いていますと働くことが悪いかのような議論に聞こえてきます。お話を
聞いていますと、週休7日が人間にとって幸せなのかと聞こえてきます」などと発言
しました。

 渡辺議員は自らが経営しているワタミで2008年に社員だった森美菜さんを過労死に
追い込んでいます。森さんのご両親が遺族として全国一般東京東部労組に加入し、
様々な闘いを通してワタミと渡辺氏の責任を追及した結果、2015年12月に裁判上の
「和解」を行いました。

 「和解」の協定書には次のように記載されています。「被告渡邉美樹は、被告会社
らの創業者で長らく代表取締役を務め、同人が形成した理念に基づき被告会社らを経
営し、従業員に過重な業務を強いたことなどから、会社法429条1項に基づく注意義務
及び条理に基づく注意義務を懈怠し、森美菜の本件死亡について、会社法同条及び不
法行為により、最も重大な損害賠償責任を負うことを認める。」

 また、謝罪の条項の中には、「被告渡邉美樹は、森美菜が死亡した後に、ツイッ
ターにおける発言などが不適切な内容を含むものであり、不相当な対応をしたことに
より、原告らに一層の精神的苦痛を負わせたことを、衷心より謝罪する。」との記載
も盛り込まれました。

 「365日24時間死ぬまで働け」などという理念を掲げてきた経営者の渡辺氏自身の
法的責任を明確にし、断罪する内容が「和解」の根幹でした。

 しかし、今回の渡辺議員の国会での発言は、これら遺族との「和解」の精神を踏み
にじるもので、その無神経な暴論は到底許されるものではありません。また、ワタミ
過労死問題を百も承知のうえで渡辺議員をあえて代表として質問に立たせた自民党の
責任も重大です。恥を知るべきです。

 遺族とともに私たち東部労組も渡辺議員と自民党に強く抗議するとともに、渡辺議
員が先頭で推奨している労働時間規制をなくす高度プロフェッショナル制度(残業代
ゼロ制度)の導入に反対します。〈全国一般東京東部労組書記長 須田〉

田井自動車の闘いが高校教科書に/札幌地域労組

約6年前に闘った札幌地域労組田井自動車支部のストライキの様子が、高校の現代社会の教科書(第一学習者)に載りました。
「スト決行中」の看板や横断幕の位置は、写真や映像をかなり意識して配置したのですが、その効果がありました。若者がストに立ち上がった様子を地元のHTBテレビのニュース番組「いちおし」が映像化した7分間の特集番組は、その後、あちこちの学習会で大活躍しました。

このストライキのあと、田井自動車の経営者はスト参加者だけボーナスをゼロにするという弾圧をかけてきました。私は勝利を確信しました。とはいえ、当事者の組合員にしてみたら大変な不安だったと思います(この弾圧で24名中、5名が脱退)。

その後出された、労働委員会での勝利命令と実効確保措置勧告は、並行していた3つの裁判闘争をさらに有利に進め、その結果、会社側はついに白旗を上げ、T代理人は解任されました。

現在、社長一族は経営から退き、田井自動車は消防車製造大手のモリタ傘下で事業を継続しています。組合結成以前は「固定残業制」でごまかされていた残業代ですが、今では残業した分だけちゃんと支給される職場になりました。
門前で立ち止まっていた日本国憲法や労働基準法を、まさに工場の中に持ち込んだ闘いでした。

この闘いに駆けつけて下さった地域の労働組合や、いっぱい記事を書いてくださった記者の皆さんに改めて感謝!〈札幌地域労組副執行委員長 鈴木一〉